オンライン会議の冒頭に使える!短時間で手軽なアイスブレイクアイデア
リモートワークが浸透する中で、チーム内のカジュアルなコミュニケーションの機会が減少していると感じるリーダーの方も多いかと存じます。特にオンライン会議は目的遂行にフォーカスしがちで、参加者同士の心理的な距離が生まれやすい傾向にあります。
このような状況において、会議の冒頭に数分間だけアイスブレイクを取り入れることは、チームの雰囲気を和らげ、参加者の発言を促し、結果として会議全体の質を高める効果が期待できます。また、短時間のアイスブレイクは、メンバーの気分転換にも繋がり、エンゲージメントの向上にも貢献いたします。
この記事では、リモートチームのリーダーやマネージャーの皆様が、日々のオンライン会議に手軽に導入できる、短時間かつ参加ハードルの低いアイスブレイクアクティビティをいくつかご紹介いたします。
なぜオンライン会議の冒頭にアイスブレイクが有効か
オンライン会議の冒頭は、参加者がその日の業務モードから会議モードへ切り替えるタイミングです。ここで短いアイスブレイクを挟むことで、以下のような効果が見込めます。
- 心理的安全性の向上: 気軽な会話を通じて、チーム内の心理的な壁を低くします。
- 参加意識の向上: 会議に参加することへの抵抗感を減らし、主体的な参加を促します。
- お互いの状態理解: 短いやり取りから、チームメンバーのその日の状態や人となりを垣間見ることができます。
- 集中力の向上: 軽いリフレッシュ効果で、本題に入る前に集中力を高めます。
重要なのは、これらのアクティビティを「短時間」で「手軽に」実施することです。会議の進行を妨げることなく、自然な流れでチームの雰囲気を良くすることを目的とします。
短時間でできる!おすすめオンラインアイスブレイクアイデア
ここでは、オンライン会議の冒頭に数分で実施できる具体的なアイスブレイクアクティビティを3つご紹介します。特別な準備や複雑なルールは不要で、今日からすぐに試すことができます。
1. 今日の気分を「絵文字」で表現
- 概要: 会議の参加者それぞれが、今の自分の気持ちや状態に一番近い絵文字をオンライン会議ツールのチャット機能に投稿し、任意で一言補足します。
- 期待される効果: 参加者の現在の心理状態を非言語的に共有し、お互いの状況を把握するきっかけとなります。言葉での表現が苦手な人でも参加しやすく、心理的安全性を高める効果があります。
- 対象人数目安: 少人数~大人数(チャット機能があれば対応可能)
- 所要時間目安: 3分~5分(人数によりますが、一人あたりの時間を短く設定します)
- 準備物: 絵文字が使えるオンライン会議ツールまたはチャットツール(Zoom, Microsoft Teams, Slackなど)
- 具体的な実施手順:
- 会議冒頭でリーダーが「皆さん、こんにちは。今日の会議に入る前に、簡単なアイスブレイクとして、今の気分を絵文字一つで表現してみましょう。」と促します。
- チャット欄に絵文字を投稿するよう伝えます。必要であれば、「もし余裕があれば、なぜその絵文字を選んだのか、一言添えていただけると嬉しいです」と付け加えます。
- 参加者が各自絵文字を投稿します。
- 投稿が出揃ったところで、「皆さん、様々な絵文字ありがとうございます。これで皆さんのおおよその状態が分かりました。それでは本日のアジェンダに入ります。」などと締めくくり、本題へ移ります。
- 成功のためのポイント: 投稿は任意であることを強調し、強制しないことが重要です。絵文字に優劣はなく、どのような絵文字を選んでも良いという雰囲気を作ります。時間をオーバーしないよう、一人あたりの時間を意識的に短く設定します。
- バリエーション: 絵文字だけでなく、今の気分を色で表現してもらう、天気で表現してもらう、といった方法も考えられます。
2. 週末(または前日)の「一言シェア」
- 概要: 会議の参加者が、週末や前日の出来事、感じたこと、楽しかったことなどを一人ずつ簡潔に(一言〜一文程度で)共有します。
- 期待される効果: 参加者のパーソナルな側面を知る機会となり、チームメンバー間の相互理解が深まります。共通の話題が見つかることもあり、その後のカジュアルな会話に繋がる可能性も生まれます。
- 対象人数目安: 少人数~中人数(5~10名程度がスムーズに進めやすいです)
- 所要時間目安: 5分~10分(人数×30秒を目安とします)
- 準備物: オンライン会議ツール
- 具体的な実施手順:
- 会議冒頭でリーダーが「それでは本日の会議を始めますが、その前に簡単なアイスブレイクとして、週末(または前日)に体験したことや、感じたことなどを、お一人ずつ一言ずつシェアしていただけますでしょうか。」と促します。
- 話す順番を決め(画面表示順、指名など)、一人ずつ話してもらいます。
- 全員が話し終えたら、「皆さん、シェアいただきありがとうございました。〇〇さんの話面白かったですね。それでは本日の議題に入りましょう。」などと締めくくり、本題へ移ります。
- 成功のためのポイント: 話す内容は「何でも良い」と伝え、参加者の負担を減らします。一言に限定し、長話にならないようにリーダーが時間管理を意識します。他の参加者の話に割り込んだり、過度な質問攻めにしたりしないよう、事前に簡単なルールを共有しておくと良いかもしれません。
- バリエーション: シェアするテーマを「最近嬉しかったこと」「今日のランチの予定」など、より具体的に絞ることも可能です。
3. ライトな「二者択一」ディスカッション
- 概要: 簡単で答えやすい二者択一の質問を提示し、参加者にどちらかを選んでもらい、その理由を簡潔に述べてもらいます。
- 期待される効果: 参加者が短い時間で考え、自分の意見を表明する練習になります。意外な回答や理由から、お互いの新たな一面を発見することができ、会話が弾むきっかけとなります。
- 対象人数目安: 少人数~中人数(5~10名程度)
- 所要時間目安: 5分~8分(質問数や人数によりますが、1問あたり2〜3分を目安とします)
- 準備物: オンライン会議ツール、質問を提示するための画面共有機能またはチャット機能
- 具体的な実施手順:
- 会議冒頭でリーダーが「簡単なアイスブレイクとして、いくつか二者択一の質問をします。どちらかを選び、その理由を簡潔にお聞かせください。」と説明します。
- 「例:犬派? それとも 猫派?」のように、ライトな質問を提示します。
- 参加者はどちらかを選び、一人ずつ理由を短く述べます(一人10~20秒目安)。
- 2〜3問ほど質問を繰り返します。
- 全ての質問が終わったら、「皆さん、ご回答ありがとうございました。〇〇さんが猫派とは意外でしたね。それでは本題に入ります。」などと締めくくり、本題へ移ります。
- 成功のためのポイント: 質問は、プライベートに踏み込みすぎず、誰でも気軽に答えられるライトなもの(例:「朝食はご飯派?パン派?」「好きな季節は夏?冬?」など)を選びます。正解や不正解はなく、どちらを選んでも良いことを明確に伝えます。理由を簡潔に述べるルールを徹底し、脱線しないようにします。
- バリエーション: 二者択一ではなく、特定のテーマについて「〇〇といえば?」と連想する単語を順番に言ってもらう「連想リレー」なども同様の効果が期待できます。
まとめ
リモートワーク環境におけるチームのエンゲージメント維持やコミュニケーション活性化は、多くのチームリーダーが直面する課題です。今回ご紹介したような短時間かつ手軽なアイスブレイクは、日々のオンライン会議に簡単に取り入れることができ、チーム内の心理的な距離を縮め、より建設的なコミュニケーションを促進する有効な手段となり得ます。
今回ご紹介した以外にも、様々なアイスブレイクやチームビルディングのアクティビティが存在します。チームの状況や目的に合わせて、継続的に試行錯誤されることをお勧めいたします。これらの小さな積み重ねが、リモート環境下でも強くしなやかなチームを育む一助となれば幸いです。