オンラインで感謝を伝え合う!チームのエンゲージメントを高める短時間アクティビティ
リモートワーク環境において、チームメンバー間のポジティブなコミュニケーションは、エンゲージメントや心理的安全性を維持・向上させる上で非常に重要です。対面での偶発的な会話が減る中、意図的に感謝や称賛を伝え合う機会を設けることが、チームの絆を深める一助となります。
この記事では、オンライン環境でも短時間で手軽に実施でき、チームのポジティブな関係構築に貢献する「感謝を伝える」アクティビティをご紹介します。
なぜ今、リモートチームで「感謝を伝える」ことが重要なのか
リモートワークが常態化する中で、私たちは多くのメリットを享受している一方で、チーム内のちょっとした「ありがとう」や「助かったよ」といった、日々の感謝や称賛の言葉を伝え合う機会が減少しがちです。このようなポジティブな相互作用の不足は、チームメンバーのモチベーション低下や孤立感につながる可能性があります。
意図的に感謝を伝え合う場を設けることは、以下のような効果が期待できます。
- 心理的安全性の向上: 感謝されることで、自分の貢献が認められていると感じ、安心して発言や提案ができるようになります。
- 相互理解の深化: 相手がどのような行動に価値を感じているかを知ることで、メンバー間の理解が進みます。
- ポジティブな雰囲気の醸成: 感謝の連鎖は、チーム全体を明るく前向きなムードで満たします。
- エンゲージメントの向上: チームへの貢献意欲が高まり、より積極的に業務に取り組む姿勢が促されます。
ご紹介するアクティビティは、これらの効果を短時間かつ手軽に実現できるため、忙しい業務の合間にも取り入れやすいのが特長です。
短時間でできる!オンライン感謝シャワー
「オンライン感謝シャワー」は、チームメンバーがお互いに感謝のメッセージを伝え合うシンプルなアクティビティです。特別なツールは必須ではなく、普段お使いのオンライン会議ツールとチャット機能があれば実施可能です。
アクティビティ概要
- 目的: チームメンバー間の感謝を可視化し、ポジティブな相互作用を促進する。
- 期待される効果: 心理的安全性の向上、相互理解、チームワーク強化、エンゲージメント向上。
- 対象人数目安: 3名~15名程度(人数が多い場合は時間を調整するか、グループ分けを検討)。
- 所要時間目安: 5分~15分(人数や共有方法による)。
- 準備物: オンライン会議ツール(Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど)、チャット機能または共有ホワイトボードツール(Miro, Mural, Google Jamboardなど)。
具体的な実施手順
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アクティビティの導入(1〜2分):
- ファシリテーター(進行役)が、このアクティビティの目的(感謝を伝え合うことの重要性、期待される効果)を簡潔に説明します。
- 「最近、チームの〇〇さんに感謝していること、助けられたこと、素晴らしいと感じたことなどを伝え合いましょう」と呼びかけます。
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感謝メッセージの準備(3〜5分):
- 参加者に、感謝を伝えたい相手とその内容を具体的に考える時間を与えます。
- 感謝の内容は、「〇〇さんのあの時のサポートで△△がうまくいきました、ありがとう」「□□さんの資料が非常に分かりやすくて助かりました」「いつも明るく挨拶してくれて、元気をもらっています」のように、具体的な行動や事実に基づくと、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
- メッセージは、チャットに直接入力する、ホワイトボードツールに書き出す、または口頭で伝える形式とします。
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感謝メッセージの共有(人数と方法による):
- チャット形式:
- 全員がメッセージを入力し終えたら、「それでは、一斉にチャットに投稿しましょう!」と合図します。
- または、一人ずつ順番に感謝したい相手とその理由を口頭で述べ、補足としてチャットにも投稿するように促します。
- ホワイトボード形式:
- 共有されたホワイトボード上に、各々が感謝のメッセージを付箋などで貼り付けていきます。特定の人の近くに貼る、テーマごとにまとめるなどのルールを設けても良いでしょう。
- 書き終えた後に、何人かにメッセージについて簡単に話してもらう時間を設けても良いです。
- 口頭形式:
- 順番に、感謝を伝えたい相手と具体的な内容を全員の前で伝えます。時間が限られている場合は、一人につき伝えられる人数やメッセージ数を制限します。
- チャット形式:
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リアクションと締め(1〜2分):
- 感謝された側は、チャットのリアクション機能を使ったり、「ありがとう!」と一言返したりするなど、何らかの形で応えることを促します。
- ファシリテーターが、ポジティブな雰囲気になったことへの言及や、感謝を伝え合うことの価値を再度伝えるなどして、アクティビティを締めくくります。
成功のためのポイント
- 強制しない雰囲気作り: 参加は任意とし、プレッシャーを感じさせないようにします。「もしよろしければ」「伝えたい方がいれば」といった言葉遣いを心がけましょう。
- 具体性を奨励: 漠然とした「いつもありがとう」だけでなく、「〇〇の件で△△してくれて助かりました」のように、具体的なエピソードを添えることを推奨します。
- 短く区切る: 長時間の共有は集中力が途切れやすいため、所要時間を明確に伝え、時間を守って進行します。
- 定期的な実施: 一度きりでなく、週に一度、または隔週の定例会議の冒頭や終わりに組み込むなど、定期的に実施することで効果が高まります。
バリエーション
- テーマを設ける: 「先週助けられたこと」「最近発見したメンバーの良いところ」など、期間や視点を限定する。
- 匿名形式: ホワイトボードツールなどで、誰から誰への感謝か分からないようにする(ツールによっては匿名投稿機能がある)。これにより、直接伝えにくい感謝も拾い上げやすくなる場合があります。ただし、誰に感謝されているか分からないことで少し寂しさを感じるメンバーもいる可能性があるため、チームの状況に合わせて検討が必要です。
- 特定の対象に絞る: プロジェクト完了後に、そのプロジェクトのメンバー間で感謝を伝え合う。
まとめ
リモートチームにおける「感謝を伝える」アクティビティは、わずか数分で実施できる手軽さながら、チームの心理的安全性やエンゲージメントを高める強力なツールとなります。日々の業務に追われる中でも、こうした意図的なコミュニケーションの機会を設けることで、チームメンバーは互いの存在をより意識し、感謝の気持ちを持って協力し合う文化が育まれます。
今回ご紹介した「オンライン感謝シャワー」をはじめ、様々な形で感謝を伝え合う機会をチームに取り入れてみてはいかがでしょうか。継続することで、リモートワーク環境においても、より温かく、強固なチームを築いていくことができるでしょう。