オンラインチームビルディングアイデア集

リモートチームの距離を縮める！子供の頃の夢を短時間共有するオンラインアクティビティ

はじめに：リモートチームのコミュニケーション課題

リモートワーク環境では、オフィスで自然発生していたようなちょっとした雑談や、メンバーのパーソナルな側面を知る機会が減少しがちです。これにより、チーム内のカジュアルなコミュニケーション不足が生じ、メンバー間の心理的な距離を感じることがあります。特に新しくチームに加わったメンバーにとっては、既存メンバーとの関係構築がより難しくなる場合もあります。

本記事では、このようなリモートチーム特有の課題に対し、「子供の頃の夢」を共有するという切り口でアプローチする、短時間で手軽に実施できるオンラインアクティビティをご紹介します。このアクティビティは、メンバーの意外な一面を知り、相互理解を深め、チームの心理的な距離を縮めるのに役立ちます。

アクティビティ概要：子供の頃の夢共有会

このアクティビティは、チームメンバーが順番に「子供の頃、何になりたかったか（夢）」について短く話すシンプルなものです。特別な準備やスキルはほとんど必要なく、オンライン会議ツールの基本機能だけで実施可能です。

期待される効果

• 相互理解の促進: メンバーの過去の一面や価値観の源泉に触れることで、お互いへの理解が深まります。
• 意外な一面の発見: 仕事とは異なる視点からメンバーを知ることができ、新鮮な驚きや発見があります。
• 心理的安全性の向上: ライトでポジティブなテーマで自己開示を行うことで、安心して話せる雰囲気づくりに繋がります。
• アイスブレイク効果: 会議の冒頭などに実施することで、場の緊張を和らげ、その後のコミュニケーションを円滑にします。
• チームの雰囲気向上: 共通の話題や共感を通じて、チーム全体の雰囲気が和やかになります。

対象人数目安

3名〜10名程度が効果的です。少人数であれば、より深い相互作用が期待できます。大人数の場合は、ブレイクアウトルーム機能を活用すると良いでしょう。

所要時間目安

1人あたり1分〜1分半程度の話す時間と、簡単な質問やコメントを含めて、合計10名であれば15分〜20分程度で完了できます。会議の開始前や終了間際、または週の始めなどに短時間で実施するのに適しています。

準備物

• 安定したインターネット接続
• オンライン会議ツール（Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど）
• 必要に応じて、話す内容を整理するための簡単なメモツール（任意）

具体的な実施手順

1. アクティビティの目的とルール説明:

   • まず、このアクティビティの目的が「お互いのことをもっと知って、チームの距離を縮めること」であることを伝えます。
   • ルールとして、「一人あたり〇分程度で話す」「他の人が話している時はしっかりと聞く」といった簡単な目安を示します。話したくない場合はパスしても構わないことを伝えておくと、心理的なハードルが下がります。

2. 話す順番を決める:

   • 順番は、ファシリテーターからの指名、画面表示順、立候補、あるいは簡単なオンラインくじツールなど、チームの雰囲気に合わせて自由に決めます。

3. メンバーが「子供の頃の夢」を共有する:

   • 順番が来たら、各メンバーが「子供の頃、何になりたかったか」を発表します。
   • 可能であれば、「なぜそう思ったのか」「その夢のために何かしたことはあるか」「今の仕事と何か繋がる点はあるか（あれば）」といった補足情報を1〜2点加えると、話がより深まります。

4. 簡単な質問・コメントタイム（任意）:

   • 各メンバーの話が終わった後、他のメンバーから「それは知らなかったです！」「面白いですね！」といった短い感想や、簡単な質問（「具体的にどんなことをしたかったんですか？」など）を促すと、会話が弾みます。ただし、深掘りしすぎず、あくまでライトに進めることがポイントです。

5. 全体での振り返り（任意）:

   • 全員が話し終えた後、全体で簡単な感想を共有したり、「〇〇さんの話が意外でしたね」「あの夢、今の仕事に少し繋がっている気がしますね」といった振り返りを行うと、アクティビティの効果が高まります。

成功のためのポイント

• ファシリテーターの役割: ファシリテーターは、時間管理を行い、全員が気兼ねなく話せる雰囲気を作り、会話が途切れそうな場合に軽く促すなどの役割を担います。話し終わったメンバーへのポジティブな反応を示すことも重要です。
• 心理的安全性の確保: このアクティビティの核心は、安心して自己開示できる環境です。「話したくない場合はパスできる」という選択肢を用意し、誰も強制されることなく参加できる状態を保つことが大切です。話された内容に対して、否定的な反応や過度なツッコミをしないようにチーム全体で意識することも重要です。
• 時間厳守: 短時間で完了することが、このアクティビティの手軽さの利点です。時間オーバーしないよう、ファシリテーターが意識して進行します。
• ポジティブな雰囲気: 「子供の頃の夢」というテーマ自体が明るくポジティブな要素を持っています。楽しむ気持ちで臨むことが、成功に繋がります。

バリエーション

• テーマを変える: 「子供の頃、一番好きだった遊び」「学生時代に熱中したこと」「生まれて初めて感動した経験」など、子供時代や学生時代のライトなテーマに切り替えて実施することも可能です。
• 関連アイテムの共有: 可能であれば、子供の頃の写真や、夢に関連するアイテム（おもちゃ、本など）を画面越しに見せながら話すことを任意で提案すると、より視覚的で盛り上がるかもしれません。
• ブレイクアウトルーム活用: 人数が多い場合は、まずブレイクアウトルームで少人数に分かれて話し合い、その後全体に戻って、ブレイクアウトルームで出た面白い話などを共有するという流れも考えられます。

まとめ

「子供の頃の夢共有会」は、オンライン環境下でもチームメンバー間の人間的な繋がりを育むための、シンプルながら効果的なアクティビティです。「短時間」「手軽」「低ハードル」であるため、日常的な会議の冒頭やちょっとした隙間時間にも実施しやすいというメリットがあります。

このアクティビティを通じて、メンバーは互いの意外な一面を知り、共感や親近感を抱くことで、チーム内の心理的な距離を縮めることができます。これは、より活発なコミュニケーションや、協力しやすい雰囲気の醸成に繋がるでしょう。ぜひ、貴社のリモートチームでもこのアクティビティを試していただき、チームの絆を強化する一助としていただければ幸いです。