リモートチームのアイデア発想を刺激する短時間オンラインアクティビティ
リモートワークが定着し、チームでのコミュニケーションや協力体制の構築に新たな工夫が求められています。特に、オンライン環境でのブレインストーミングやアイデア出しは、対面時と比較して発言のハードルが高く感じられたり、活発さに欠けたりすることが課題となる場合があります。
このような課題に対し、短時間で実施できるアイスブレイクやアクティビティを取り入れることは、チームの心理的安全性を高め、メンバーの発言を促し、アイデア発想を活性化させる上で非常に有効です。本記事では、オンラインでのアイデア出しを促進するための、手軽で効果的な短時間アクティビティをご紹介します。
オンライン連想マップブレイク
このアクティビティは、特定のテーマから連想されるキーワードや短いフレーズをオンライン上の共有ホワイトボードに書き出し、視覚的にアイデアを広げるものです。短時間で集中して行うことで、思考のウォーミングアップになり、その後の本格的なブレインストーミングや会議での発言を促す効果が期待できます。
- 期待される効果:
- アイデア発想のウォーミングアップ
- 多様な視点の可視化
- チーム内の心理的安全性の向上(気軽に発言しやすい雰囲気作り)
- 参加者の集中力向上
- 対象人数目安: 3名~10名程度
- 所要時間目安: 8分~15分(アクティビティ実施5~8分 + 共有時間3~7分)
- 準備物:
- オンライン会議ツール(Zoom、Teams、Google Meetなど)
- オンライン共有ホワイトボードツール(Miro、Mural、FigJamなど。または、チャットツールや共有ドキュメントでも代用可能)
具体的な実施手順
以下のステップで進行します。ファシリテーターが時間管理とツールの操作をサポートします。
- テーマの提示(1分):
- ファシリテーターは、今回連想マップを作成するテーマを発表します。
- テーマは、今後の会議で議論したいトピック、チームで取り組みたい改善、最近気になったニュース、趣味など、チームの状況や目的に合わせて柔軟に設定できます。例:「来週のチームミーティングで話したいこと」「リモートワークを快適にするアイデア」「最近面白かったオンラインイベント」など。
- テーマはオンライン共有ホワイトボードの中央に大きく記載します。
- 連想マップ作成(5~8分):
- ファシリテーターはタイマーを開始することを伝え、参加者にテーマから連想されるあらゆるキーワードや短いフレーズを書き込むように促します。
- 参加者はオンライン共有ホワイトボード上で、テーマを中心に自由に単語やフレーズをスタンプや付箋、テキストボックスなどで書き込んでいきます。他の人のアイデアからさらに連想を広げても構いません。線でつないだり、色分けしたりするのも効果的です。
- 発言のハードルを下げるため、「思いついたことを何でも書いてください」「完璧さは求めません」といった声かけを行うと良いでしょう。
- マップの閲覧と共有(3~7分):
- タイマーが終了したら、書き込みを終了します。
- 完成した連想マップを参加者全員で眺めます。
- 任意で、マップの中から特に気になった言葉や、面白いと感じたアイデアを一人ずつ簡単に発表・共有する時間を設けます。全員が話す必要はなく、希望者のみでも構いません。これにより、他の参加者の視点や考え方を学ぶことができます。
- 締め(1分):
- ファシリテーターは、参加者への感謝を伝え、アクティビティを終了します。今回の連想マップから得られたアイデアや気づきを、その後の会議や活動にどう繋げるか簡単に触れると、アクティビティの意義が高まります。
成功のためのポイント
- 明確なテーマ設定: 短時間で行うため、テーマは絞りすぎず、かといって広すぎない、参加者がすぐに連想しやすいものが望ましいです。
- ツールの習熟: 事前に使用するオンライン共有ホワイトボードツールの基本的な操作(テキスト入力、付箋作成など)を確認しておくとスムーズです。ツールの操作に不慣れなメンバーがいる場合は、簡単な操作説明の時間を設けるか、チャットツールでの実施も検討できます。
- 心理的安全性の確保: 「正解・不正解はない」「どんなアイデアでも歓迎」「他の人のアイデアを否定しない」といったルールを事前に明確に伝え、参加者が安心して発言・書き込みできる雰囲気を作ることが最も重要です。
- 時間厳守: 短時間集中がポイントのため、タイマーを設定し、時間を厳守して進行します。
- ファシリテーターの役割: ファシリテーターは、テーマ提示、時間管理、ツールの操作補助、発言しやすい雰囲気作りなど、スムーズな進行役として重要な役割を担います。
バリエーション
- チャットツールでの実施: 共有ホワイトボードが難しい場合、チャットツールでテーマを投げかけ、各自がチャットで連想するキーワードを投稿していく形式でも可能です。投稿されたキーワードから、ファシリテーターが手動で簡単なマップを作成するのも良いでしょう。
- 音声のみの連想リレー: 音声会議で、一人がキーワードを発し、次の人がそのキーワードから連想する言葉を言う、というリレー形式で行うこともできます。視覚情報はありませんが、より気軽に実施できます。
- アイデアスケッチ: キーワードだけでなく、短い時間で簡単な図やイラストを書き込む形式にすることも、視覚的な発想を刺激するのに役立ちます。
まとめ
リモート環境でのチーム活動において、メンバー間の気軽な交流やアイデアの発想を促すことは、チームの活性化や一体感の醸成に繋がります。今回ご紹介した「オンライン連想マップブレイク」は、短時間で手軽に実施でき、オンラインでのブレインストーミングや会議前のウォーミングアップとして非常に有効なアクティビティです。
ぜひ、チームの状況に合わせてこれらのアイデアを取り入れ、リモートワークにおけるコミュニケーションの質と、チームの創造性向上に役立てていただければ幸いです。