リモートチームで笑いを共有!オンラインお絵かき伝言ゲームのすすめ
リモートワークにおけるコミュニケーションの課題と手軽な解決策
リモートワーク環境下では、対面での偶発的な会話や休憩時間の雑談といったカジュアルなコミュニケーションが減少しがちです。これにより、チーム内の雰囲気が堅くなったり、メンバー間の関係性が希薄になったりといった課題を感じているチームリーダーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新メンバーのオンボーディングにおいても、業務とは直接関係のない気軽な交流の機会が少ないことは、チームへの馴染みやすさに影響を与える可能性があります。また、長時間にわたるオンライン会議の合間に、短い時間で気分転換し、チーム全体の集中力を維持することも重要です。
この記事では、このようなリモートチームが抱えるコミュニケーションやリフレッシュに関する課題に対し、短時間で手軽に実施でき、参加ハードルが低いオンラインアクティビティとして、「オンラインお絵かき伝言ゲーム」をご紹介します。ゲームを通じて自然な形で笑いが生まれ、チームの雰囲気を和らげることができます。
オンラインお絵かき伝言ゲーム
概要
オンラインお絵かき伝言ゲームは、参加者が順番に絵を描き、次の人がその絵を見て言葉を推測し、さらにその言葉を次の人が絵にする、という形式で進める伝言ゲームです。アナログの「お絵かき伝言ゲーム」をオンラインツール上で再現します。絵を描くスキルは全く必要ありません。絵が上手くても下手でも、絵と解釈の間に生まれる「ズレ」から予期せぬ面白い結果が生まれ、チームに多くの笑いをもたらします。
期待される効果
- チーム内の笑いを創出し、雰囲気を和ませる: 予測不能な絵や解釈のずれが笑いを誘い、心理的な距離を縮めます。
- 非言語コミュニケーションの面白さを体感できる: 言葉ではなく絵で伝えることの難しさや楽しさを共有できます。
- 思考の柔軟性を養う: 限られた情報(絵)から意図を読み取ろうとするプロセスが、思考の幅を広げます。
- 短時間で気分転換・リフレッシュができる: ゲームに集中することで、業務から一旦離れてリフレッシュできます。
- カジュアルな会話のきっかけになる: ゲーム内容や結果について、自然な雑談が生まれます。
対象人数目安
4名〜10名程度が適しています。人数が多い場合は、複数のチームに分けて同時並行で行うことも可能です。
所要時間目安
10分〜20分程度です。1ターン(描画+解答)あたり2〜3分として、参加人数に応じて調整します。会議の冒頭や合間など、ちょっとした隙間時間にも実施しやすい時間設定です。
準備物
- オンライン会議ツール: Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど、画面共有やブレイクアウトルーム機能があるものが便利です。
- オンラインホワイトボードツールまたは共有可能な描画ツール:
- MiroやMuralのような多機能ホワイトボードツール。
- ZoomやMicrosoft Teamsに内蔵されているホワイトボード機能。
- 共有可能なオンライン描画ツール(例: Aggie.io, Drawpile - ただし導入の手軽さを考慮し、ホワイトボード機能推奨)。
- PowerPointやGoogle スライドの描画機能と画面共有でも不可能ではありませんが、リアルタイム性が劣るため推奨度は低いです。
- お題リスト: 事前に、動物、食べ物、日常品、ことわざなど、簡単すぎず難しすぎないお題をいくつか用意しておくとスムーズです。参加者の共通の趣味や社内ネタなど、少し内輪のお題を混ぜるのも盛り上がる可能性があります。
具体的な実施手順
- ルールの説明:
- ゲームの流れ(お題を見る→絵を描く→次の人が絵を見る→言葉を推測する→その言葉を次へ伝える、今回は「言葉→絵」のリレー)。
- 一人あたりの描画時間(例: 1分〜1分半)。
- 使用するツール(オンラインホワイトボード)の説明。
- 絵の上手さは評価対象ではないこと、あくまで楽しむことが目的であることを強調します。
- ツールの準備: 進行役がオンラインホワイトボードを立ち上げ、全員が描画・閲覧できる状態にします。
- ゲーム開始:
- 進行役は、最初の人にだけ個別チャット機能などでお題を伝えます。
- 最初の人は、与えられたお題をホワイトボード上に絵で描きます(時間制限内で)。
- 描き終わったら、次の人にホワイトボードを見せます。
- 次の人は、前の人が描いた絵を見て、それが何を表現しているか言葉で推測し、その言葉を進行役に個別チャットで伝えます。
- 進行役は、伝えられた言葉をさらに次の人に個別チャットで伝えます。
- その次の人は、伝えられた言葉を元に絵を描き、さらに次の人へ絵を見せます。
- これをチームの人数分繰り返します。
- 最後の人は、前の人が描いた絵を見て、それが何を表現しているか言葉で推測し、進行役に伝えます。
- 結果発表と振り返り:
- 最初のお題を発表します。
- 描かれた絵と推測された言葉の「伝言リレー」の変遷を順番に公開していきます。ホワイトボードの履歴機能や、各ターンのスクリーンショットを活用すると分かりやすいです。
- 絵の面白さ、推測の奇抜さなどについて、参加者全員で笑いながら振り返ります。
- なぜその絵になったのか、なぜそう推測したのかなどを話し合うのも良いでしょう。
成功のためのポイント
- お題選びが重要: 参加者の知識や経験に偏りすぎない、かつ絵にしやすい具体的な名詞や短いフレーズがおすすめです。抽象的な概念や固有名詞すぎるものは避けた方が無難です。
- 描画時間は短めに: 短い時間制限の方が集中力が高まり、面白い絵が生まれやすい傾向があります。ただし、あまりに短すぎると焦りにつながるため、チームの雰囲気に合わせて調整してください。
- 進行役のサポート: 参加者がツール操作に戸惑わないようサポートしたり、時間管理を行ったりと、スムーズな進行を心がけます。
- 全員が心理的に安全に参加できる雰囲気づくり: 絵の上手さをからかうような言動は避け、「予想外の結果を楽しむ」姿勢を大切にします。
- 会議ツールとホワイトボードの組み合わせ: 画面共有でホワイトボードを表示し、同時に会議ツールの個別チャットでお題や言葉を伝える、という使い分けが一般的でスムーズです。
バリエーション
- チーム対抗戦: 参加者を複数のチームに分け、同じお題で同時にスタートし、どちらのチームの伝言がより「正確」だったか、あるいはより「面白かった」かを競います。
- テーマ別お題: 事前に「動物だけ」「食べ物だけ」「映画のタイトルだけ」などのテーマを決めておくと、お題選びに一貫性を持たせられます。
- 短いターンで多人数: 各ターンの描画・推測時間をさらに短く設定し、よりスピーディーなリレーを楽しむ形式も可能です。
まとめ
オンラインお絵かき伝言ゲームは、特別な準備や高度なスキルが不要で、オンライン会議の合間や冒頭に気軽に取り入れられるチームビルディングアクティビティです。絵と言葉の伝言を通して生まれる予期せぬ面白さや笑いは、リモートワークで不足しがちなチーム内のカジュアルなコミュニケーションを活性化させ、メンバー間の心理的な距離を縮めることに貢献します。
「短時間で手軽にリフレッシュしたい」「チームの雰囲気を和ませたい」「新メンバーが気軽にチームに馴染めるきっかけを作りたい」といった課題をお持ちでしたら、ぜひ一度、オンラインお絵かき伝言ゲームをチームで試してみてはいかがでしょうか。絵の上手い下手に関わらず、誰もが主役になれるこのゲームは、きっとチームに笑顔と活気をもたらすことでしょう。