リモートチームの日常を覗き見!写真で繋がる短時間オンラインアクティビティ
リモートワーク環境では、意図的に機会を設けない限り、業務以外のカジュアルなコミュニケーションが生まれにくい傾向があります。これにより、メンバー同士の人間的な繋がりが希薄になり、チームの一体感やエンゲージメントに影響を及ぼすことも少なくありません。特に新しいメンバーが加わった場合や、チームの雰囲気を和やかに保ちたいと考えるリーダーやマネージャーの方々は、どのようにすればオンライン上で手軽に、かつ効果的にチームビルディングを進められるか、日々模索されていることと思います。
この記事では、そのような課題をお持ちの皆様へ向けて、写真という視覚的な要素を活用した、短時間で実施可能なオンラインチームビルディングアクティビティをご紹介します。テキストだけでは伝わりにくいメンバーの個性や日常の一端に触れることで、チーム内の雰囲気を和らげ、より深い相互理解へと繋げることができます。
カジュアルな繋がりを深める「今日の1枚」アクティビティ
ここでご紹介するのは、「今日の1枚」と題した、チームメンバーが日替わりや週替わりでテーマに沿った写真を共有し、コメントを付け合うシンプルなアクティビティです。
アクティビティ概要と期待される効果
このアクティビティは、メンバーが自分の身の回りの「今日の1枚」を撮影し、チーム内のチャットツールなどで共有することを促します。写真を通じて、普段業務だけでは見えないメンバーの趣味、興味、日常の風景などに触れる機会が生まれます。
期待される効果としては、以下のような点が挙げられます。
- 相互理解の促進: 写真とその簡単な説明を通じて、メンバーの個性や価値観、意外な一面を知ることができます。
- カジュアルな会話の増加: 写真をきっかけに、業務とは直接関係のないフランクな会話が生まれやすくなります。
- リフレッシュ効果: 日常の中に写真のテーマを探したり、他のメンバーの写真を見たりすることで、気分転換になります。
- 心理的安全性の向上: 個人的な一面を見せ合い、それに対してポジティブな反応があることで、心理的な距離が縮まり、安心できるチーム環境の構築に繋がります。
- 新メンバーのオンボーディング支援: 新しいメンバーが自己開示するハードルを下げ、既存メンバーとの共通点を見つけやすくします。
対象人数目安と所要時間目安
- 対象人数目安: 少人数のチームから大規模な組織まで、柔軟に対応可能です。チャットツールのチャンネル機能などを活用すれば、大人数でも混乱なく実施できます。
- 所要時間目安: 写真を共有する時間自体は1人あたり1~2分程度です。閲覧やコメントの時間は非同期で行うため、各自の都合に合わせて参加できます。オンライン会議の冒頭で実施する場合でも、数名であれば5分~10分程度で完了できます。
準備物
- オンライン会議ツール: 写真を画面共有して紹介する場合に使用します。(例: Zoom, Microsoft Teams, Google Meet など)
- チャットツール: 写真データやコメントを共有するために使用します。(例: Slack, Microsoft Teams, Discord など)
- 写真撮影可能なデバイス: スマートフォンやデジタルカメラなど、写真が撮れる個人のデバイス。
具体的な実施手順
- 共有場所の決定: 写真を共有するための専用チャットチャンネルを作成するか、既存のカジュアルなチャンネルを活用します。
- ルールの説明: アクティビティの目的(相互理解、カジュアルな交流など)と、共有する際の簡単なルール(例: 見られても良い範囲の写真にする、プライベートすぎる情報は避け、ポジティブなコメントを心がけるなど)をチームに周知します。
- テーマ設定(任意): 必須ではありませんが、「今日のランチ」「癒やされるもの」「デスク周り」「お気に入りの〇〇」など、ゆるやかなテーマを設けると写真を選びやすくなります。テーマは日替わりや週替わりにすると飽きずに続けられます。特にテーマを決めず「今日の1枚」とするのも良いでしょう。
- 写真の撮影・準備: 各メンバーがテーマに沿った写真や、共有したい日常の一コマを撮影、または手持ちの写真から選びます。
- 写真の共有: 決定したチャットチャンネルに写真をアップロードします。写真に簡単な説明や、その写真にまつわるエピソード(なぜこの写真を選んだのか、何をしているところかなど)を添えると、より興味を引きやすくなります。
- コメント・リアクション: 他のメンバーが共有された写真を見て、コメントや絵文字でのリアクションを送ります。ポジティブな反応を積極的に行うことで、共有したメンバーの安心感を高めます。
- オンライン会議での紹介(任意): 週に一度など、オンライン会議の冒頭や最後に時間を設け、希望者が自分の写真について簡単に紹介する機会を作ることも効果的です。
成功のためのポイント
- 参加は任意とする: 強制参加にすると負担に感じるメンバーもいる可能性があります。あくまで自由参加とし、気軽に参加できる雰囲気を作ることが重要です。
- 心理的安全性の確保: 誰もが安心して写真を共有できるよう、否定的なコメントやプライバシーに踏み込みすぎる質問は控えるよう促します。
- リーダー自身が率先して参加する: マネージャーやリーダーが楽しんで参加し、自分の写真を共有することで、他のメンバーも参加しやすくなります。
- 多様なテーマ設定: マンネリ化を防ぐため、テーマを定期的に変更したり、メンバーからテーマのアイデアを募集したりするのも良い方法です。
- 非同期コミュニケーションの活用: チャットツールでの共有をメインとすることで、会議のように時間を拘束することなく、各自のペースで参加できます。
バリエーション
- テーマ特化型: 「あなたの仕事スペース」「一番のお気に入りアイテム」「最近読んだ本」「今日の空模様」など、具体的なテーマを日替わりで設ける。
- クイズ形式: 写真の一部だけを見せて何かを当ててもらうクイズ形式にする。
- 「私の街」紹介: 各メンバーが住んでいる場所の風景やおすすめスポットの写真を共有し合う。
まとめ
リモートワーク環境におけるチームビルディングは、対面時とは異なるアプローチが求められます。「今日の1枚」アクティビティは、写真という非言語的な情報を活用することで、メンバーの個性や日常に触れ、手軽に人間的な繋がりを深めることができる有効な手段です。短時間で実施可能であり、特別な準備もほとんど必要ないため、すぐにでもチームに導入いただけます。
チーム内のカジュアルな会話が不足していると感じている、メンバー同士の相互理解を深めたい、オンラインでのコミュニケーションにもっと温かみを加えたい、そうお考えであれば、ぜひこの「今日の1枚」アクティビティをチームで試してみてください。きっと、チームの雰囲気が和らぎ、メンバー間の距離が縮まるきっかけとなるはずです。