リモートチームで『小さな成功』と『そこから学んだこと』を共有する短時間オンラインアクティビティ
リモートワーク環境では、対面での偶発的な会話が減少し、メンバー個人の取り組みやそこから得られた知見、工夫などがチーム全体に共有されにくいという課題が生じがちです。特に、「うまくいったこと」や「成功のヒント」といったポジティブな情報は、チームのベストプラクティスとして横展開することで、全体の生産性向上に大きく貢献する可能性があります。
この記事では、リモートチームが短時間で手軽に実施でき、メンバー個人の「小さな成功」とそこから得られた「学び」を共有することで、チーム全体の知識向上、相互理解、そしてポジティブな雰囲気づくりに役立つオンラインアクティビティをご紹介します。
アクティビティ名:『小さな成功と学びのシェアタイム』
概要
各自が最近経験した業務上の「小さくてもうまくいったこと」を一つ選び、その具体的な内容と、そこから「何を学び、次にどう活かしたいか」をチームメンバーに短時間で共有します。日々の業務における小さな工夫や、予期せず良い結果につながった出来事など、大げさな成果である必要はありません。
期待される効果
- ベストプラクティスの共有: 個人の成功体験から、チーム全体の業務効率や質を高めるヒントが得られます。
- 相互理解の促進: メンバーの得意なことや、どのような視点で業務に取り組んでいるのかを知るきっかけになります。
- ポジティブな雰囲気の醸成: 成功体験を共有することで、チーム全体のモチベーション向上に繋がります。
- 学びの文化醸成: 成功や経験から学びを得て、次に活かす習慣が身につきます。
- 新メンバーのオンボーディング支援: チームの仕事の進め方や、求められる工夫の方向性を掴む助けとなります。
対象人数目安
3名から10名程度が適しています。人数が多い場合は、少人数のブレイクアウトグループに分けて実施することも可能です。
所要時間目安
一人あたり1~3分程度の共有時間を見込み、参加人数に応じて全体で15分から30分程度が目安です。週に一度など、定期的に実施する運用に適しています。
準備物
- オンライン会議ツール(Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど)
- 必要に応じて、共有内容をテキストで補足したり、後から振り返ったりするためのツール(チャットツール、オンラインホワイトボードなど)
具体的な実施手順
- 目的の説明(1分):
- アクティビティを始める前に、目的(チームの知識共有、相互理解、ポジティブな雰囲気づくりなど)を簡潔に伝えます。
- 「小さな成功で構わないこと」、「学びや次に活かせる視点を共有すること」を強調します。
- 各自準備(事前、または開始直後の数分):
- 参加者各自に、最近の業務の中から「小さな成功」を一つ選び、そこから得られた「学び」や「次に活かしたいこと」を考えておいてもらいます。会議開始直後に簡単な準備時間を設けても良いでしょう。
- 共有(参加人数×1~3分):
- 参加者が順番に、選んだ「小さな成功」とその「学び」について話します。
- ファシリテーターは時間配分を意識し、スムーズな進行を促します。
- 質疑応答・簡単なコメント(参加人数に応じて数分):
- 時間があれば、共有内容について簡単な質問をしたり、共感やポジティブなフィードバックを伝えたりする時間を設けます。深く議論する必要はありません。
- クロージング(1分):
- ファシリテーターが、共有された内容について簡単に触れ、参加への感謝を伝えて終了します。共有された学びをどう活かせるか、などの視点を添えても良いでしょう。
成功のためのポイント
- 「小ささ」を許容する文化: 大それた成果ではなく、日々の小さな改善や工夫、成功体験でも良いことを明確に伝えます。これにより、共有のハードルが下がります。
- 「学び」に焦点を当てる: 単なる成功自慢にならないよう、「その経験から何を学んだか」「次にどう繋げるか」といった学びや示唆を共有の核とすることを促します。
- 心理的安全性の確保: どんな内容を共有しても否定されない、安心できる雰囲気を作ることが最も重要です。ファシリテーターは、共有内容に対して肯定的な姿勢を示し、他のメンバーにも協力を促します。
- 時間管理の徹底: 短時間で手軽にできることがメリットなので、一人あたりの時間を厳守し、時間通りに終了させます。
- 記録と共有: 必要に応じて、共有された「小さな成功」や「学び」のキーワードなどをチャットや共有ドキュメントに残しておくと、後から振り返ったり、他のメンバーが参考にしたりできます。
バリエーション
- 特定のテーマを設定: 例えば「最近活用して効率が上がったツール」や「顧客対応でうまくいった工夫」など、特定の業務領域に絞って共有します。
- ポジティブなサプライズ共有: 予想外にうまくいったことや、偶然発見した便利な方法などを共有する時間にしても良いでしょう。
- 学びを深掘り: 時間を少し長めにとり、共有された内容について簡単なディスカッションやアドバイス交換を行う機会を設けます。
まとめ
「小さな成功と学びのシェアタイム」は、リモートチームにおいて、メンバーの知見や経験を効率的かつポジティブに共有するための有効なアクティビティです。定期的に実施することで、チーム全体の知識レベルが向上し、お互いの仕事への理解が深まり、自然なコミュニケーションが促進されます。ぜひ、貴社のリモートチームでも導入をご検討ください。継続することで、チームはより強く、より賢くなるはずです。