リモートチームで小さな成果や学びを共有する短時間オンラインアクティビティ
リモートワークが浸透し、チームメンバーが物理的に離れた場所で働くことが一般的になりました。このような環境下では、意図的にコミュニケーションの機会を設けなければ、メンバー間の相互理解が深まりにくく、各自がどのような業務に注力しているのか、どのような成果を上げているのかが見えづらくなることがあります。
また、日々の業務で得た小さな気づきや学びが、チーム内で共有されずに個人の知識として留まってしまうことは、組織全体の成長機会を損失することにつながります。
この記事では、リモートチームが短時間で手軽に実施でき、チーム内の相互理解を深め、メンバーの貢献意欲とチーム全体の知識レベル向上に繋がる「小さな成果や学びの共有」をテーマにしたオンラインアクティビティをご紹介します。
短時間でチームを活性化する「プチ成果・学び共有会」
このアクティビティは、チームメンバーそれぞれが直近の業務で達成した「小さな成果」や、新しく「学んだこと」「気づいたこと」を短い時間で共有するものです。大げさな成功体験である必要はなく、日々の業務の中で感じた些細なことでも構いません。
期待される効果
- 相互理解の促進: メンバーが互いの業務内容や取り組みを知ることで、チーム全体の状況を把握しやすくなります。
- 貢献意欲の向上: 自分の貢献がチームに認識されることで、モチベーションが高まります。また、他のメンバーの頑張りを知ることで刺激を受けます。
- チーム全体の知識レベル向上: 個人の学びや気づきを共有することで、チーム全体の知識やスキルが底上げされます。
- 心理的安全性の向上: 小さなことでも安心して共有できる雰囲気は、チーム内の心理的安全性を高めます。
- ポジティブなチーム文化の醸成: ポジティブな側面に焦点を当てることで、チーム全体の雰囲気が明るくなります。
対象人数目安と所要時間
- 対象人数: 3名~10名程度のチームに適しています。人数が多い場合は、時間を延ばすか、ブレイクアウトルームの活用を検討します。
- 所要時間: 10分~20分程度(一人あたり1〜2分の共有時間+質疑応答時間)。
準備物
- オンライン会議ツール(Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなど)
- 必要に応じて、共有内容をメモするためのテキストツール(Slack、Teamsチャット、Miro、Google Docsなど)
具体的な実施手順
- 実施タイミングと頻度の設定:
- 週に一度、朝礼や定例会議の冒頭、または終了間際などに時間を設定します。例えば、「毎週月曜日の定例会議冒頭15分」のように固定すると習慣化しやすくなります。
- 実施頻度はチームの状況に合わせて調整してください。
- テーマの周知:
- 共有するテーマは「今週(または直近)のプチ成果」または「今週(または直近)で新しく学んだことや気づき」と明確に伝えます。
- 「プチ」であることを強調し、大きな成果や深い学びである必要はないことを事前に伝えておくと、参加ハードルが下がります。
- 共有の実施:
- 設定した時間になったら、司会者が趣旨を簡単に説明し、共有を開始します。
- 共有は順番に行います。一人あたりの時間を1~2分と決め、時間を意識してもらうように促します。
- 共有内容は、具体的な事例を交えると他のメンバーが理解しやすくなります。例えば、「〇〇の作業を自動化するツールを見つけ、△△の時間を短縮できた」や「新しい機能□□を試した結果、エラーが出た原因が分かった」などです。
- 質疑応答とコメント(任意):
- 全員の共有が終わった後、または各メンバーの共有後に、簡単な質問や共感のコメントなどを促します。ただし、時間管理のため、議論が深くなりすぎないように注意が必要です。
- ポジティブなフィードバックや称賛を積極的に行う文化を育むように意識します。
- 共有内容の記録(任意):
- 共有された学びや気づきの中で、チーム全体で後から参照したいものがあれば、チャットツールや共有ドキュメントなどに簡単に記録することを促します。これは、チームのナレッジベース構築にも繋がります。
成功のためのポイント
- リーダーが率先して共有する: マネージャーやチームリーダーが積極的に自分のプチ成果や学びを共有することで、他のメンバーも安心して参加できるようになります。
- 「プチ」の定義をゆるくする: 専門的な知識や高度なスキルに関することだけでなく、オンライン会議ツールの便利な機能の使い方、効率的なメールの書き方、気分転換の方法など、幅広い「学び」や「成果」を歓迎する雰囲気を作ります。
- 時間管理を徹底する: 限られた時間でスムーズに進行するために、タイマーを使用するなどして時間を管理します。
- 参加を強制しない雰囲気: 参加を強制するのではなく、共有したい人が気軽に話せる場であるというスタンスを大切にします。ただし、参加を促す声かけは重要です。
- ポジティブな雰囲気を維持する: 失敗から学んだことの共有も歓迎しますが、基本的には前向きな内容に焦点を当て、チーム全体の士気を高めることを目指します。
バリエーション
- テーマ特化型: 特定のプロジェクトに関する学び、新しいツールの試用結果、業務効率化の工夫など、特定のテーマに絞って共有会を行う。
- テキスト共有中心型: 会議中に口頭で共有するのではなく、事前にチャットや共有ドキュメントに各自が書き込み、会議中に簡単に紹介する、または会議時間を使わずに各自が閲覧できるようにする。
- 感謝とセットで: プチ成果や学びの共有に加え、「今週、〇〇さんに助けられて小さな成果を達成できた」のように、感謝の気持ちも一緒に伝える場とする。
まとめ
リモートワーク環境では、日常的なちょっとしたコミュニケーションや情報共有の機会が失われがちです。今回ご紹介した「プチ成果・学び共有会」は、週に一度、短時間で実施できる手軽なアクティビティですが、継続することでチーム内の透明性を高め、メンバー間の相互理解を深め、それぞれの貢献を可視化し、チーム全体の成長を促す効果が期待できます。
ぜひ、貴社チームの状況に合わせてこのアクティビティを試していただき、リモート環境でのチームエンゲージメント向上にお役立てください。