リモートチームで互いを深く知る!大切にしていることを共有する短時間オンラインアクティビティ
リモートワークが普及する中で、チームメンバー間の物理的な距離は、時に心の距離にも繋がりかねません。オフィスでの偶発的な会話や休憩時間の雑談が減少し、業務上のやり取りが中心になることで、メンバーの人となりや価値観を知る機会が失われがちです。このような状況は、チーム内の心理的安全性の低下や、新しいメンバーのオンボーディングを難しくする要因となる可能性があります。
この記事では、リモートチームにおけるコミュニケーション不足や表面的な関係性といった課題に対し、メンバーが自身の「大切にしていること」を短時間で共有するオンラインアクティビティをご紹介します。このアクティビティを通じて、互いへの理解を深め、より信頼し合えるチームの関係性を築く一助となれば幸いです。
アクティビティ:My Core Values Quick Share
概要
このアクティビティは、チームメンバー一人ひとりが、自身の人生や仕事において「大切にしていること」を一つ選び、それについて簡潔に話す時間を持つものです。必ずしも仕事に関連することである必要はありません。個人的な価値観、信念、哲学、大切にしている物や人など、様々な視点から「大切にしていること」を共有します。
期待される効果
- 相互理解の深化: 普段の業務では見えない、メンバーの価値観や考え方に触れることで、お互いへの理解が深まります。
- 心理的安全性の向上: 個人的な側面を安心して共有できる場があることで、「自分を出しても大丈夫だ」という感覚が生まれ、心理的安全性が高まります。
- 共感と信頼関係の構築: 価値観の共有を通じて共感が生まれ、メンバー間の信頼関係が強化されます。
- 多様性の尊重: チーム内の多様な価値観に触れることで、お互いの違いを認め、尊重する意識が育まれます。
対象人数目安
5名から15名程度の中小規模チームに適しています。人数が多い場合は、ブレイクアウトルームを活用して小グループに分かれて実施することも可能です。
所要時間目安
15分から30分程度。一人あたりの共有時間を1分から2分に設定し、参加人数に応じて調整します。
準備物
- オンライン会議ツール(例: Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど)
- 必要に応じて、オンラインホワイトボードツール(例: Miro, Mural, FigJamなど)やチャットツール
具体的な実施手順
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目的とルールの説明 (3分):
- アクティビティの目的が、お互いをより深く知り、チームの絆を深めることにあると伝えます。
- 「大切にしていること」は、仕事に関することでも、個人的なことでも良いことを明確に伝えます。
- 共有する際は一人あたりの時間を守ること(例: 1.5分厳守)、他のメンバーの話を注意深く傾聴すること、共有された内容に対して評価や批判を行わないことをルールとして伝えます。
- 共有したくない場合はパスしても良いことを伝えます。
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考える時間 (5分):
- メンバー各自に、自分が今「大切にしていること」を一つ考える時間を与えます。紙に書き出す、心の中で整理するなど、方法は問いません。
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共有 (人数 × 1.5分):
- 順番に一人ずつ、「私が大切にしていることは〇〇です。それはなぜなら△△だからです。」といった形で、選んだ「大切にしていること」について簡潔に話してもらいます。
- ファシリテーターは時間管理を行います。時間が来たらチャットで知らせるなど、スムーズな進行を心がけます。
- ファシリテーター自身が最初に共有すると、メンバーが話しやすくなります。
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簡単な感想共有または質疑応答 (5分):
- 全員の共有が終わった後、任意で簡単な感想を共有したり、興味を持った点について簡潔に質問したりする時間を設けます。深掘りしすぎず、軽い意見交換に留めることがポイントです。
- オンラインホワイトボードツールを使用している場合は、共有された内容を書き出したり、関連するイメージを追加したりすることも可能です。
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まとめ (2分):
- ファシリテーターが、全員の共有内容に軽く触れながら、このアクティビティを通じて得られた気づきや、チームとしてどのように活かせるかについて簡単にまとめます。
- 参加への感謝を伝えて終了です。
成功のためのポイント
- 安心・安全な場を作る: 誰かが話している間は他のメンバーは傾聴に徹し、否定的な反応は一切しない雰囲気を醸成します。ファシリテーターが率先してポジティブな姿勢を示します。
- 時間管理の徹底: 短時間で多くのメンバーが共有できるよう、一人あたりの時間は厳守します。タイマーを使うなどの工夫も有効です。
- 強制しない姿勢: 共有はあくまで任意であることを明確に伝えます。聞いているだけでも十分価値があることを参加者に理解してもらいます。
- 具体的な例を示す: ファシリテーターが最初に共有する際に、具体的にどのような内容を話せば良いかの例を示すと、メンバーがイメージしやすくなります。
バリエーション
- テーマを絞る: 「働く上で大切にしていること」「チームとして大切にしたい価値観」など、テーマを絞って共有することも可能です。
- ビジュアルを活用: 大切にしている「物」であれば写真を見せる、大切にしている「考え方」を表すイメージ画像を共有するなど、視覚的な要素を取り入れることで、より印象的な共有になります。
- チャットでのコメント: 各メンバーの共有後、チャットで短いポジティブなコメントや共感のメッセージを送り合う時間を設けることで、さらに繋がりを感じられます。
まとめ
リモートワーク環境下でチームの絆を強化し、心理的安全性を高めるためには、意識的にメンバー間の相互理解を深める機会を設けることが不可欠です。「My Core Values Quick Share」アクティビティは、短時間で手軽に実施できるにも関わらず、お互いの人となりや価値観を知る貴重な機会を提供します。
このアクティビティをチームの定例会議の一部として取り入れたり、新しいメンバーがジョインした際のオンボーディングの一環として活用したりすることで、表面的な関係性から一歩踏み込んだ、信頼に基づく強固なチームを構築することができるでしょう。ぜひ一度、貴チームでこの「大切にしていること」の共有会を試してみてください。