リモートチームの1日をポジティブに締めくくる!「今日の良かったこと」共有アクティビティ
リモートワーク環境においては、オフィスで自然発生していた雑談や、何気ない成功体験の共有が減少しがちです。これにより、チーム全体の雰囲気が掴みにくくなったり、メンバーが自身の貢献やポジティブな側面に意識を向けにくくなったりする懸念があります。本稿では、このような状況を改善し、チームの心理的な健康と結束力を高める「今日一番良かったこと」共有アクティビティをご紹介いたします。これは非常にシンプルながら、リモートチームの日常にポジティブな影響をもたらす可能性を秘めた手法です。
なぜ「今日一番良かったこと」を共有することが重要か
日々の業務に追われる中で、意識的にポジティブな側面に目を向ける機会を持つことは、個人のウェルビーイングだけでなく、チーム全体の雰囲気にも良い影響を与えます。特にリモート環境では、他者の状況が見えにくいため、メンバーがどのような小さな成功や喜びを感じているのかを知ることは、共感を生み、相互理解を深める上で価値があります。「今日一番良かったこと」を共有する習慣は、チーム内にポジティブな空気を作り出し、心理的安全性を高める一助となります。
アクティビティ概要:「今日の良かったこと」共有会
これは、チームメンバーがその日あった出来事の中から、最も良かったと感じたこと、あるいは達成感を得られた小さな成功などを順番に共有する短時間のアクティビティです。些細な内容でも構わないというルールを設けることで、全員が気軽に参加できるよう促します。
期待される効果
- ポジティブな雰囲気の醸成: ネガティブな情報過多になりがちなオンラインコミュニケーションにおいて、意図的にポジティブな情報を共有することで、チーム全体の雰囲気を明るく保ちます。
- 相互理解の促進: メンバーの仕事の成果だけでなく、個人的な小さな喜びや発見を知ることで、お互いの人間的な側面への理解が深まります。
- 心理的安全性の向上: ポジティブな情報を安心して共有できる場があることで、チーム内の心理的安全性が高まります。
- 達成感の再認識: 1日の終わりに「良かったこと」を振り返ることで、自身の仕事や生活における小さな成功やポジティブな側面に意識が向きやすくなります。
対象人数目安
3名から10名程度が推奨されます。人数が多い場合は、1人あたりの共有時間を短く設定するか、グループを分けて実施することを検討してください。
所要時間目安
1人あたり1分程度の共有時間を想定すると、5名で5分から10分、10名で10分から15分程度で実施可能です。会議の開始時または終了前の数分間を活用できます。
準備物
- オンライン会議ツール(Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなど、チームが日常的に使用しているもの)
- 時間を意識するためのタイマー(任意)
具体的な実施手順
- 時間の確保: チームの定例会議の冒頭や終了前、あるいは専用の短いオンラインセッションとして時間を設定します(例: 終業前の10分間)。
- 趣旨の説明: 司会者(チームリーダーなど)がアクティビティの目的とルールを簡潔に説明します。「今日一番良かったこと、嬉しかったこと、小さな発見など、どんな些細なことでも構いません。話したくない場合は『パス』していただいても大丈夫です。」といった形で、参加ハードルを下げるように伝えます。
- 順番に共有: 参加者は順番に、「今日一番良かったこと」を1分程度の時間で共有します。順番は、参加者のリスト順や、挙手、あるいはランダムに指名するなど、チームに合った方法で決定します。
- 傾聴とリアクション: 他のメンバーは、話している人の内容を注意深く聞きます。共感や称賛の気持ちは、オンライン会議ツールのリアクション機能(拍手、いいねなど)や、話が終わった後に簡単なチャットメッセージで伝えることができます。話の途中で割り込んで質問したり深掘りしたりする時間は基本的に設けず、全員が共有する時間を優先します。
- 終了: 全員が共有し終えたら、司会者が参加への感謝を伝え、セッションを終了します。「皆さん、今日は素敵な良いことをたくさん共有していただき、ありがとうございました。明日も良い1日になりますように。」といったポジティブな言葉で締めくくるのが良いでしょう。
成功のためのポイント
- 「パス」できる選択肢の提示: 強制参加ではなく、その日の気分によっては話したくない人もいることを考慮し、パスできる選択肢を用意することが、参加者の心理的な負担を軽減します。
- ポジティブな内容に焦点を当てる: あくまで「良かったこと」に焦点を当て、不満やネガティブな内容は避けるよう最初に伝えておきます。
- 司会者の役割: 司会者は率先して自身の「良かったこと」を共有し、話しやすい雰囲気を作ることが重要です。また、時間管理も丁寧に行い、スムーズな進行を心がけます。
- 継続性: 一度きりでなく、可能であれば毎日、あるいは週に数回など、定期的に実施することで効果が高まります。習慣化を目指します。
- ツールの活用: 共有内容をチャットで投稿したり、特定のハッシュタグをつけてSNSのように共有したりするなど、使用ツールに合わせた工夫も考えられます。
バリエーション
- テーマの変更: 「今日一番面白かったこと」「今日の小さな学び」「今日の感謝」など、日によってテーマを変えてみるのも良いでしょう。
- 非同期での実施: 会議時間を確保するのが難しい場合は、チャットツールの特定チャンネルで毎日投稿を促す形式でも実施可能です。絵文字リアクションなどを活用し、手軽に反応できるようにします。
- 写真や絵の共有: 良かったことに関連する写真(例: 自宅のデスクに飾った花、美味しかったランチ)や、簡単なイラストを画面共有しながら紹介するのも、視覚的な要素が加わり盛り上がります。
まとめ
「今日一番良かったこと」共有アクティビティは、リモートチームの日常に手軽に取り入れられる、非常に効果的なチームビルディング手法です。短時間で実施でき、特別な準備もほとんど必要ありません。このアクティビティを通じて、チーム内のポジティブなコミュニケーションを促進し、メンバー間の相互理解を深め、最終的にはチーム全体のウェルビーイングとエンゲージメント向上に繋がることを願っております。ぜひ貴社のチームでも試してみてはいかがでしょうか。