リモートチームの雑談を活性化!『もしも』から広がる会話のタネ
はじめに
リモートワーク環境では、オフィスにいた頃のような偶発的な雑談や、業務以外の個人的な会話が減少しがちです。これにより、チームメンバーの意外な一面を知る機会が失われたり、心理的な距離が生まれやすくなったりすることが課題となる場合があります。チーム内のカジュアルなコミュニケーション不足は、メンバー間の信頼関係構築や、新しいアイデアが生まれにくい状況につながる可能性もございます。
この記事では、このようなリモートチームが抱えるコミュニケーションに関する課題に対し、短時間で手軽に実施でき、メンバー間の相互理解を深めるきっかけとなるオンラインアクティビティ「『もしも』会話のタネ」をご紹介します。特別な準備やスキルはほとんど必要ありませんので、ぜひチームでお試しください。
『もしも』会話のタネ:アクティビティ詳細
このアクティビティは、「もしもあなたが〇〇だったら、何をしますか?」といった仮定の質問をチーム内で投げかけ合い、それぞれの考えを共有することで、メンバーの価値観や思考パターンを知ることを目的としています。堅苦しい議題から離れ、リラックスした雰囲気で会話を楽しむことができます。
期待される効果
- カジュアルなコミュニケーションの促進: 業務から離れた話題でリラックスして話す機会を提供します。
- 相互理解の深化: メンバーの意外な考え方や価値観に触れることで、お互いへの理解が深まります。
- 心理的安全性の向上: 正解のない「もしも」の質問に対して自由に発言する経験は、発言しやすいチームの雰囲気づくりに貢献します。
- 創造性や想像力の刺激: 非日常的な仮定について考えることは、脳を活性化させ、ブレインストーミングのウォーミングアップとしても機能します。
対象人数目安と所要時間目安
- 対象人数目安: 5名〜15名程度。少人数の方が一人ひとりの発言時間を確保しやすく、より深い話になりやすいかもしれません。大人数の場合は、ブレイクアウトルーム機能を活用することもご検討ください。
- 所要時間目安: 10分〜20分程度(質問数と回答時間による)。短い時間でも効果が得られます。
準備物
- オンライン会議ツール(Zoom, Microsoft Teams, Google Meetなど)
- 必要に応じて、「もしも」の質問リスト(いくつか事前に用意しておくと、すぐに開始できます)
- 時間を意識するためのタイマー(任意)
具体的な実施手順
- 目的の説明: アクティビティを開始する前に、「これはチーム内のカジュアルなコミュニケーションを活性化し、お互いをより深く知るための簡単なゲームです」といった目的を伝えます。
- ルールの設定: 「どんな回答でも自由です」「他の人の意見を否定しません」「一人当たりの発言時間は〇分程度にしましょう」といった簡単なルールを共有します。リラックスして楽しめる雰囲気作りが重要です。
- 質問の提示:
- ファシリテーターが事前に用意した「もしも」の質問を一つ提示します。
- または、参加者の中から順番に一人ずつ質問を出してもらいます。
- ランダムに質問を選んでもらう方法もあります。 (質問例: もしも一日だけ動物になれるとしたら、何になりますか? もしも願いが3つ叶うなら、何を願いますか? もしも宝くじで高額当選したら、まず何をしますか?)
- 回答と共有: 提示された質問に対して、参加者が順番に、または自由に自分の考えや答えを発言します。一人当たりの発言時間を守るように促します。
- 繰り返し: 用意した質問数や設定した時間まで、3〜4の手順を繰り返します。
- 簡単な振り返り: アクティビティの最後に、「面白かった回答はありましたか?」「やってみてどうでしたか?」といった簡単な振り返りや感想を共有する時間を設けると、学びや気づきが深まります。
成功のためのポイント
- 質問選び: 最初は答えやすく、個人的すぎない軽い質問から始めると参加のハードルが下がります。チームの雰囲気に合わせて質問の深さを調整してください。
- ファシリテーション: 全員が安心して発言できるよう、肯定的な雰囲気を作ることに努めます。時間管理を意識し、スムーズな進行を心がけてください。特定の人が話しすぎたり、誰も話さなかったりしないようバランスを取ります。
- 強制しない: 発言はあくまで任意であることを伝えます。聞いているだけでも参加していることになります。
- 継続する: 一度きりではなく、定期的に(例えば週に一度、会議の冒頭に5分だけなど)実施することで、チームの文化として定着しやすくなります。
バリエーション
- テーマを設定する: 「もしも仕事で〇〇だったら?」「もしも週末に〇〇だったら?」のように、特定のテーマに絞って質問を用意する。
- オンラインホワイトボード活用: MiroやMuralのようなオンラインホワイトボードツールに質問を置き、各自がボード上に自分の回答を書き込む形式にする。他の人の回答を視覚的に確認でき、コメントを付け合うことも可能です。
- チャットツールで非同期実施: 会議中に時間が取れない場合、チームのチャットツールで質問を投げかけ、各自が都合の良い時間に回答を投稿する形で行う。
まとめ
「『もしも』会話のタネ」は、リモートチームのコミュニケーション不足解消や相互理解促進に役立つ、非常に手軽で効果的なアクティビティです。非日常的な問いかけは、普段の業務では見られないメンバーの意外な考え方や人間的な側面に光を当て、チーム内の心理的な距離を縮める助けとなります。
会議の冒頭や締めの短い時間、あるいは専用の時間を少し設けるだけで実施可能です。ぜひあなたのチームでも取り入れ、より風通しの良い、お互いをよく知るチーム作りにお役立てください。継続して行うことで、チーム内の信頼関係がより一層深まることと存じます。